日本の賃貸住宅における原状回復とは？入居時の敷金ゼロ物件の場合は？

この記事を読めば分かること

・原状回復の定義、費用

・入居時に敷金がなかった場合にかかる退去費用について

・東京在住の外国人が、契約内容・退去費用などで困った時の相談窓口

原状回復とは

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原状回復の定義

国土交通省が公表している原状回復の定義には「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」とあります。

分かりやすくいうと、入居者が入居中に故意や過失、注意して暮らす義務を怠ったこと、一般的な使用を超えたことによって傷や汚れをつけた場合、修復する義務があるということです。修繕に関するすべての費用を入居者が負担するということではありません。経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用はここでいう原状回復には含まれません。

入居者の不注意な住み方や行動により破損や劣化した箇所は、退去時に入居者が費用を負担して修復する義務が発生するということになります。

原状回復にかかる費用について

入居者の不注意でついた傷や汚れを修復するための原状回復費用は、国土交通省の定義にもあるように、入居者に支払いの義務があります。

ここで注意したいのは、原状回復の定義はあくまでトラブルを防ぐために作られたガイドラインということです。入居時にサインした契約書に特記事項があった場合はそちらが優先されます。原状回復の定義よりも契約書の内容の方が効力は強く、契約書に基づいた費用を支払うことになります。

入居する際は契約書の内容をしっかり確認し、どのような場合に原状回復の費用がかかるか把握した上で生活することで退去時のトラブルを回避できます。

入居時の敷金がない場合にかかる退去費用とは

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退去費用

退去費用とは、退去時に原状回復するための費用のことです。

入居時に敷金があった場合は敷金から差し引かれます。原状回復費用が敷金内で収まれば残金は返還され、敷金を超えてしまった場合は不足分を請求されます。入居期間が長ければその分、経年劣化も進むでしょう。そのため入居時とまったく同じ状態にするということではなく、その年数なりに良い状態（入居時に近い状態）に戻すための、必要な費用を支払います。

敷金がない場合には退去費用を用意

敷金がない賃貸住宅に入居した場合は、退去時に原状回復費用として修繕費やクリーニング代金を支払います。退去費用は入居期間や部屋の面積、その人の住み方によっても差があるため、一概にはいえません。

入居時に契約書をよく読み、退去時にどんな費用がかかるのか、また不明な点がある場合は契約時に確認しておきましょう。

敷金がない場合の退去費用確定までの流れ

引っ越しが決まったら遅くとも1ヶ月前には大家に退去の旨を伝えましょう。契約書に決まりがある場合は契約書の内容に沿った期間内に申し出てください。荷物をすべて運び出し部屋に何も残っていない状態になったら、立会いのもと部屋の状態を確認し、退去費用が確定します。

その後、決められた期日内に支払いをします。

退去費用を抑えるために気をつけておきたいこと

タバコのヤニや臭い、ペットによる傷や臭い、一般的な掃除を怠ったためにできたカビやシミの広がり、物をぶつけてできた傷や汚れ、DIYなど壁に釘を刺したり部屋を加工した場合などは、原状回復の退去費用を支払う義務があるとみなされます。日常的に気をつけていれば避けられるものもあるので、賃貸住宅に入居する場合は住み方に気を配ることが必要です。